それでも彼の生き様をここに残しておこうと思った理由
誰もが苦難に出会う。簡単に乗り越えられるときもあれば、なかなか乗り越えられないこともある。その苦難をどう解釈し、将来にわたってどれだけ執着するかはその人間の勝手である。出来事の良い側面をみたり、笑い飛ばして切り替える、あるいは、「忘却」という名の神様からの贈り物に身を委ねるのがなにより。
その通りだ、すべて忘れてしまってもいい。そもそも記さなくてもいいのではないか…
そうも考えた。
それでも、やはり書き記しておきたいのだ。
彼が、何と闘い、何に気づき、変われることができたのかを。
いまでも「なんとなく空見上げちゃってる」ひとたちが、
何かのきっかけをつかむのに、少しでも役立つのではないかと信じるから。