モモ(ミヒャエル・エンデ)に学ぶ命(時間)の使い方

この本、同性の友人に勧められてすぐ購入したものの、ずっと自宅の本棚でほこりをかぶっていた。

小説(架空の物語)など、読む暇がない。それくらい仕事で忙しい日々だったという自戒が私にもある。そんな、小説を楽しめないくらい自分を追い詰めているあなたにとっておきの本だと思う。

モモは、浮浪児のような体で、町外れの円形劇場の廃墟にひとりで住んでいる。

「あたし、なんにもなくてもやっていけるもの」

身寄りのない少女でも、ひとのはなしをきくことができる子で、みんながモモを必要としたから、まわりが助けてくれる。よい友だちに囲まれる。特に、夢見るお調子者のジジ(ジロラモ)と、道路掃除夫のペッポじいさんが仲良しだった。

そんなモモたちを尻目に、時間貯蓄銀行の灰色の男たちが暗躍し、大人たちに、どんどん、無駄を省くよう急き立てていく。

「あなたは、◯◯と◯◯と◯◯に時間を浪費しておいでだ。」

本当はもっと輝かしい未来があるんじゃないの? そのためには、あれも無駄、これも無駄と、大人たちを諭していく。

ところが、いざ、きりつめた生活をしてみると、「時間貯蓄銀行」となうってあるのに、自分の時間が手元に残らない。

効率化して、手元に自由な時間が残るなんてことは勘違いだったのだ。

灰色の男たちの考えに染まった時点で、すでに自分自身の本当の時間を失っている。

おちつきがなく、おこりっぽくなる。

次にあなたが取り掛かるのも、さらなるタスクにすぎない。

この生活には、数字はあるが、感覚はない。他人の期待はあるが、自分の幸せはない。

灰色の男たちにとって強敵だった、道路掃除夫のペッボじいさんのしごとのスタイルがいい。

「せかせかと働き出す。どんどんスピードをあげてゆく。ときどき目をあけてみるんだが、いつ見ても残りの道路はちっとも減っていない。だからもっとすごいいきおいで働きまくる。心配でたまらないんだ。そしてしまいには息が切れて、動けなくなってしまう。道路はまだ残っているのにな。こういうやり方はいかんのだ」

自分のペースを守って、仲間とともに感じ、ともに考える。そうした生活にこそ、感覚があり、幸福がある。

だのに、灰色の男たちは、ひっそりと大人たちの心に忍び入り、いつのまにか、感覚のない世界に陥れる。

彼らは「自分たちの存在が気づかれない」ことに一番気をつけているから、なかなか見つけられない。

ああ、そんな非人間的な世界に、この世の中を突き動かすのは、どこの、誰??

 

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