『バーフバリ 王の凱旋』をみて【ネタバレあり】

「バーフバリ!、バーフバリ!」
と、総出の民衆が彼を称える様は、人の心を打つ。

それは彼の勇猛さと徳の高さからくるのだが、
その徳の高さゆえに、バーフバリは、多くの逆境に向き合わざるを得なくなる。

彼と王位を競う、いとこヴァラーラデーヴァが様々な策略を巡らすのだ。

バーフバリが愛する、クンヌラ王国という小国の王女デーヴァセーナを、
ヴァラーラデーヴァが奪おうと、母である国母シヴァガミに頼みこむ。

実の息子の嘆願に、国母シヴァガミは、彼の邪な思惑があるともしらず、
大国の国母として、デーヴァセーナをお前の妻にすると誓ってしまうのだった。

きかんぼうで意思の強いデーヴァセーナは、自ら赴かず権威を嵩にきて求婚するような
王子は夫にふさわしくないと、それを拒否。
かわりに、現地で勇猛な姿を示し、自らの愛を直接伝えたバーフバリからの求婚を承諾するのだった。

バーフバリの王位継承が予定されているマヒシュマティ王国にバーフバリとともに赴くと、
国母シヴァガミは、自らが愛息に誓った宣誓に拘っていた。

デーヴァセーナは改めてそれを拒否。
かわりにバーフバリとの結婚を主張する。
「王族の女には夫を選ぶ権利がある。知らないのか」と。

これに対して国母シヴァガミは激怒。
「無礼なこの女を逮捕せよ!」と命じ、護衛が刀をぬくと、

そこに刀をもってデーヴァセーナの前に立ちはだかったのが、
バーフバリである。

「デーヴァセーナに触れようとするものは、バーフバリの刀が阻む」。

王女の心を無視した誓いは誤りだ、
母上の誤りです、とシヴァガミに毅然と自らの信念を伝えるのだった。

言葉を失う国母シヴァガミ。
どんな金言も彼の耳には届かないと、バーフバリにこう迫る。

「そなたの道は2つ。
偉大なマヒシュマティ王国の国王になるか、
狡猾な女の夫になるか」。

バーフバリは、
たとえ、自分を育ててくれた国母シヴァガミの決定であっても、
自らが愛するひとの心に沿わない決定を受け入れることはできないとして、
内定していた王位を、いとこのバラーラデーヴァに譲るのだった。

ここに描かれているのは、
何か守ろうとすると、人の目はくぐもるということだ。
国母シヴァガミのように、善良で愛のある人間でも、
「自らのメンツがつぶれる」と思うと、人間と人間のコミュニケーションが取れなくなってしまう。

調和ではなく、統一(ガバナンス)を求めるから、こうした無理が生じる。
過ちを認められなくなってしまう。

この最たるものが独裁者だろう。
彼だって、何も望んで、自らの過ちを認めることができない環境に
身をおいているわけではないのだ。

逆に、王位をなくそうとも、バーフバリへの民衆の支持は変わらない。
それは、彼が人間をそのままに見つめている(愛している)からだ。

その対象は、当然、妻(デーヴァセーナ)にとどまらない。

「バーフバリ!バーフバリ!」

どうすれば、世界が人間と人間のコミュニケーションを起点に
まわるようになるだろうか。

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